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2025年09月01日号
審査部審査番号号

黒鉛電極とは?

鉄をリサイクルするために使用される電極のことです。

電気製鋼炉(電炉)ではスクラップとなった鉄をアーク放電によって溶かし、新たな鋼鉄材料に再生していますが、その際に電気を流す役割を果たすのが黒鉛電極です。電炉内の温度は1600℃、電極の先端は3000℃にも達するため、高温環境に耐えられる導電性材料として黒鉛は鉄のリサイクルに欠かせない存在です。

電炉では通常34本の黒鉛電極本体を継手で接続して使用します。溶鋼1トンを生産するために、電極は13kgほど消耗するとされており、アーク熱による昇華やジュール熱・輻射熱による酸化によって徐々に摩耗していきます。先端の電極が消耗すると新たな電極を接続することで連続的な鋼鉄生産が可能となりますが、品質が不十分な場合には、折損や接続部の脱落などのトラブルが発生することもあります。こうしたトラブルを防ぐために熱膨張が少なく、電気比抵抗が低く、そして機械的強度が高いといった特性を備えた高品質な黒鉛電極が必須となります。電炉はCO2排出量を抑えられ、鉄のリサイクルにも有効なことから拡大が見込まれており、電炉で不可欠な黒鉛電極は製鋼業界において重要な役割を果たしています。

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