何でも質問箱
2024年06月24日号
審査部審査番号号
潜在成長率とは?
- 生産活動に必要な全要素を使った場合、供給能力をどれだけ増大させ られるかを示す指標です。
国内総生産(GDP)成長率が個人消費や企業の設備投資など需要サイドから見た実際の増加率であるのに対し、潜在成長率は①資本投入(設備)、②労働投入(労働力)、③全要素生産性の3つの生産要素をそれぞれ過去の平均的な水準で供給した場合に推計されるGDPの伸びを指します。1980年代の日本では3〜4%台を推移していましたが、90年代初めのバブル崩壊で下落。2009年にマイナス圏まで落ち込んだ後は0~1%前後で推移しています。急速な少子・高齢化が見込まれる日本が持続可能な経済成長を目指すには、イノベーション(技術革新)などを通した③の向上が不可欠であるとされています。
個人消費や設備投資などの支出を積み上げた総需要(GDP)と労働や設備などの経済の潜在的な供給力(潜在GDP)の差は「需給ギャップ」と呼ばれます。23年4~6月期に15四半期ぶりにプラスに転じましたが、23年7~9月期には再びマイナスに転換。デフレの完全脱却を目指す日本では物価動向を占う上で注目されています。